洗口液、どれを選ぶ? ~イオン性と非イオン性の違いと使い方~

2025/05/08

洗口液、どれを選ぶ? ~イオン性と非イオン性の違いと使い方~

「こんにちは。名古屋市緑区の歯医者:たけうち歯科クリニックです。」

 

 最近はドラッグストアなどでも多くの洗口液が並んでいて、「どれを選んだらいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。実は洗口液には「イオン性」と「非イオン性」の2種類があり、それぞれに特徴と適した使い方があります。今日はこの違いと、日常での上手な使い分けについてご紹介します。

 

イオン性洗口液:日常のケアに最適

 イオン性洗口液は、陽イオン(プラスの電荷)を持つ抗菌成分が含まれており、歯の表面やバイオフィルム(歯垢)の表層に吸着しやすい特徴があります。​これにより、細菌の付着を抑制し、長時間にわたって抗菌効果を発揮します。​代表的な成分には、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)や塩化セチルピリジニウム(CPC)などがあります。日常的な歯磨き後に使用することで、プラークの再形成を防ぎ、虫歯や歯周病の予防に効果的です。​ただし、歯磨き粉に含まれる成分と反応して効果が減少することがあるため、使用前に口をよくすすぐか、時間をおいてから使用することが推奨されます。

 

非イオン性洗口液:外出時や緊急時に便利

 非イオン性洗口液は、電荷を持たない抗菌成分が含まれており、バイオフィルムの内部に浸透して細菌を殺菌する特徴があります。​ただ、30秒ほどの洗口では奥まで届かなかったりします。代表的な成分には、エッセンシャルオイル(EO)やポビドンヨード(PI)などがあります。即効性があり、使用後すぐに口の中がすっきりと感じられるため、外出先や災害時など、歯磨きが難しい状況での応急的な口腔ケアに適しています。​ただし、歯の表面への付着力が弱いため、持続的な抗菌効果は期待しにくいです。 ​

まとめ

  • イオン性洗口液:​歯の表面にバリアを形成し、細菌の付着を抑制。日常のオーラルケアに最適。​

  • 非イオン性洗口液:​バイオフィルム内部に浸透して殺菌。外出時や災害時などの応急的な使用に便利。​

 それぞれの洗口液の特性を理解し、生活スタイルや状況に応じて使い分けることで、より効果的な口腔ケアが可能になります。日常のケアにはイオン性洗口液を、外出時や緊急時には非イオン性洗口液を活用して、健康な口腔環境を維持しましょう。​

 

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